国連など国際機関は、共通書式の履歴書(CV)があり、申し込みは全てオンラインで行われます(CVはオンライン上で指定されたものに記入する場合が多い)。世界中から応募者がいるため、まず履歴書でしっかりと自分自身をアピールする必要があります。CVには、自身の属性(氏名、扶養家族の有無等)のほか、言語レベルを記入する欄 (注:空席公募においてはTOEFLテストなど外部英語試験の結果は求められません)、学歴、職歴(担当業務・実績)を記入する欄などがあります。
注:一部の機関では従来のCVの共通書式である「P11」とは異なる書式を用いていますが、記載内容に大きな差異はありません。
CVの他に、応募者の経験、資質、能力が応募ポストにいかに合致するかを示すカバーレターも提出するのがよいでしょう。なぜ自分はこのポストに関心があるのか、そして、なぜ国際機関側が自分を考慮すべきなのか、という二点を、全体を3~4パラグラフにまとめて記載します。
職務経験を記入する欄は最も重要です。
応募ポストに求められている能力・バックグラウンドをよく理解し、自身の今までのキャリア・実績がそれと合致していることを示すよう工夫する必要があります。
過去に経験したポストにおいて、何を行ったか(行っているか)という実績を強調しましょう。その際は、「チームとして何をしたか」ではなく「あなたが何をしたか」が重要になることを注意してください。
細かな点ですが、スペルミス・文法間違いに注意しましょう。
また、字数の制限もあるため、「I」や「my」を省略するなど工夫するとともに、action verbsを用いて、明確かつ正確に経験や業績を記述しましょう。
以下履歴書やカバーレターを記入するにあたり、留意すべき点を中心に説明しています。
国際機関への応募に際しては、最近ではウェブ上の記入フォームで入力していくパターンもありますが、多くは、通称P11 と呼ばれるWORD 形式の応募書類(履歴書)(United Nations Personal History Form)を用います(応募書類の詳細は、各国際機関のHP で応募の都度確認してください)。P11(ピー・イレブン)は、いかに自分が応募ポストに適した専門性を有しているかを証明できるよう、書くべきポイントを見極めつつ、それぞれの欄に簡潔に記入することが重要です。
1.P11 の長さ
P11 の長さの目安としては、P3 のポストであれば6 頁前後、P4 のポストであれば9 頁前後が適当です。短すぎる場合は、必要な情報を十分記載できていない可能性があるので注意します。
2.使用する英語等
よりフォーマルな英語を使うよう気をつけ、文章に具体的な数値を入れると説得力が増します。
3.主語の省略など
P11 に限らず、英文履歴書は、”I”や”my”といった主語を省略し、動詞から書き始めます。なお、動詞はaction verbs を用い、明確にかつ正確に経験や業績を記述するようにします。また、現職については現在形で、それ以前のものは過去形を用いる等、適正な時制を
用います。(参考: UNDP・JPO サービスセンターのウェブサイトに掲載されている「action verbs」
の例)
4.職務経験(”Description of Duties”、”Summary of Achievements”)
応募するポストで求められている能力やバックグラウンドについて空席公告をよく読んで理解し、自分の能力やバックグラウンドがそれと合致していることを記載します。
5.英文チェック
P11を作成した後は、スペルチェックを行い、スペルミスや文法の間違いを防ぎ、また、可能であれば、ネイティブの知人にチェックしてもらいましょう。
6.応募のタイミング
締切り日間近ではなく、なるべく早く応募しましょう。
7.カバーレター
P11とは別途、カバーレターを作成します。カバーレターは求められていなくても提出するのが良いでしょう。カバーレターは、応募者の経験、資質、能力が応募ポストにいかに合致するかを示すものです。なぜ自分はこのポストに関心があるのか、そして、なぜ国際機関側が自分を考慮しなければならないか、という二点を訴える内容とすべきです。全体を3、4パラグラフにまとめ、自らをアピールする説得力のあるものを作成します。カバーレターに記載する内容は、空席公告と最も関連するバックグラウンドを重点的に記したものにします。また、ウェブ上に採用部局長の名前が公開されている時は、当該部局長の肩書きと名前をカバーレターの宛先とします。