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国際機関の採用 面接の質問集

 面接は、候補者と面接官数名で45分から1時間半前後行われます。質問事項は候補者自身に関する事柄や志望動機等の基本的な質問に加えて、コンピテンシー・ベースト・インタビューの質問や応募先ポストに関する技術的な質問も行われます。基本的な質問やコンピテンシー・ベースト・インタビューの質問には傾向があり、質問事項に沿った具体的な回答ができるように準備することが重要となります。
 以下は、実際の面接で国際機関側からあった質問をもとに質問例として作成したものです。面接において、これら全ての質問が順になされるわけではなく、下記1.から3.の各項目より3~4問質問されることが多いようですが、3.の技術的な質問に重きが置かれることもあるようです。

●:留意点
○:質問例

1.基本的な質問

  • 候補者自身に関する質問
    ○これまでの経歴の概要を述べよ。
    ○貴方の強みと弱みは何か。また、セールスポイントを述べよ。
    ○フィールドでの勤務に家族は理解を示しているか。
    ○何にもっともフラストレーションを感じるか。
    ○余暇に何をするか。
    ○ストレス解消法は何か。
    ○趣味は何か。
    ○途上国で経験する危険や危難にどう対処するか。
    ○貴方が最近怒った例を述べよ。また、どのように対処したか。
    ○最近行ったもっとも大きな意志決定について述べよ。
    ●短所に関する質問に対する答えは、短所を認識していること、そして職務上それを補う方法を考えていることを伝える。

  • 志望動機
    ○当該国際機関で働くことに関心を持ったきっかけは何か。
    ○当該国際機関を志望した理由は何か。
    ○今回のポジションに応募した理由は何か。
    ○応募先ポストの仕事はどのようなものか、理解を述べよ。
    ○当該国際機関に貢献出来ると考える理由を述べよ。
    ○当該国際機関にどのような価値をもたらすことが出来るのか述べよ。
    ○着任した場合、貴方のどのような知識や経験を生かして仕事を行うか。
    ○当該国際機関が貴方を採用しなければならない理由を述べよ。
    ○当該国際機関で貴方の長所をどのように生かせると考えているか。
    ○今までの職務経験において、上司や同僚は貴方の長所をどのように捉えているか。
    ●志望動機については簡潔にポイントをついた答えが大切。
    ●志望動機と共に、現在の職業を辞めてからいつから勤務できるのか等、具体的な質問が出る可能性もある。
    ●簡潔に答えた後に、さらに詳しく説明を求められれば長く説明しても構わない。要は相手の反応を見て答えることが肝要。

  • 国際機関に関する質問
    ○当該国際機関について知っていることを述べよ。
    ○現在、当該国際機関が直面している最大の挑戦は何か。また、それに対する具体案を二点挙げよ。
    ○(あるプロジェクトの説明があった後)プロジェクトを実施するにあたり、当該国際機関が直面している主な難題は何か。また、喫緊の課題は何か述べよ。
    ○当地政府にとって重要な課題は何か。当該国際機関はそれに対してどのように取り組むべきか。
  • これまでのバックグラウンドに関連する質問
    ○職歴を簡潔に述べよ。
    ○候補者の職歴が職務内容に合致する理由を述べよ。
    ●応募しているポストについてどれだけ理解しているか、また、国連で長期的に働くことの心構えについて聞かれる場合がある。
    ●応募しているポストの資質に貴方が適切であることを訴えることが大切。国際機関で働く上で、貴方のキャリアが如何に有用であるかを訴える能力が面接で試される。
  • その他
    ○貴方の専門分野において、民間企業と国際機関で異なる点を述べよ。

2.コンピテンシー・ベースト・インタビューの質問

求められるコンピテンシーはポスト毎に異なり、空席公告を熟読することがもとめられますが、よく問われるコンピテンシー毎の質問例は以下のとおりです。

  • Respect for Diversity
    ○多文化及び多民族の環境で勤務した経験があるか。
    ○異なるバックグラウンドを有する者と働いた経験を述べよ。
    ○多文化環境で勤務するメリット、デメリットを述べよ。
    ○様々な国々で働く上で異なる見識に直面することがあると思うが、それによって問題が生じたことはあるか。
    ○様々な文化や宗教を持つ多国籍な人達と人間関係を築く上で、どのような点に気をつけているか。
    ○保守的な男性と仕事をする上での難しさは何か。
    ○女性が多い職場環境で上手くやっていくことができるか。
    ○これまで仕事上でジェンダーの観点より注意してきたことは何か。
  • Professionalism
    ○フィールド経験や地域の専門性を示すような経験はあるか。
    ○現地でのフィールド生活は想像出来るか。
    ○緊急支援の経験はあるか。
    ○厳しい環境の地域で勤務することに問題はないか。
    ○業務のやり方に異を唱えられたことはあるか。それにどのように対処し、そのような結果となったか。現在、同じような状況に直面した場合、どのように対応するか。
    ○問題をプラスの経験に変えたことはあるか。
    ○今までの業務の中で、最も難しかったことは何か。それをどのようにして解決したか。また、周りの評価はどのようなものであったか。
    ○立案及び執行に関与しているプロジェクトの例を挙げよ。そのプロジェクトの中での貴方の役割はどのようなものであったか。また、プロジェクトを進めていく上で障害が発生した場合、どのように対処するか。
    ○応募ポストに関する事項に関する経験が少ないようであるが、どの程度知っているか。
  • Integrity
    ○当該国際機関を非難するような意見にどのように対処すべきか。
    ○倫理の板ばさみ(’Ethical Dilemma’)にあった経験を述べよ。
  • Creativity
    ○業務で新しいアイデアを導入した経験はあるか。
    ○システムを変えたり、プロジェクトを動かしたりしたことがあるか。その具体例と結果について説明せよ。
    ○今までの職務において、直面した問題を簡潔に挙げよ。また、それを乗り越えるためにどのような行動を取ったか。
  • Commitment to Continuous Learning
    ○スタッフの専門性を高めるためにどのような指導をするか。
  • Client Orientation
    ○応募先のポストにおいて、クライアントは誰か。
    ○挑発的な態度を取るクライアントと仕事をした経験を述べよ。
    ○政府高官と仕事をしたことがあるか。その際に注意すべきことは何か。
    ○政府との仕事で問題が生じたことはあるか。
    ○ドナーとの関係構築で注意すべきことは何か。
    ○政府機関、研究機関、NGO 等の関係者と、これまで業務上どのような関係を築いてきたか。また、本ポストに採用された場合、当地政府及びその他の関係者とどのような関係を築いていこうと考えているか。
  • Planning & Organizing
    ○多忙なスケジュールや仕事を管理する上で、心がけていることは何か。
    ○複数の仕事がある中で、どのように優先順位をつけ、締め切りに間に合わせた例を述べよ。また、その際、どのようなイニシアティブを発揮したか説明せよ。
    ○このポストに就いた場合、5人の部下と、15件のプロジェクトを抱えることになる。遅延なく作業をすすめるためには何が必要か。
    ○上司より急ぎで複数の仕事の指示を受け、どのように対応したことがあるか。
    ○今までに仕事が締め切りに間に合わなかったことはあるか。締め切りに間に合わせるために、どのような工夫をしているか。
    ○部下は必ずしも怠けものではないが、仕事が遅いことがある。どのようにして締め切りを守らせるべきか。
  • Teamwork
    ○チームメンバーと協力して職務を遂行した経験を挙げよ。
    ○チームで働く場合、チームリーダーになることが多いか、それとも、チームプレーヤーとなる方が多いか。
    ○これまでにチームワークが必要となった状況を挙げ、貴方が果たした役割について説明せよ。
    ○チームプロジェクトが成功した例を挙げよ。
    ○チームを率いて結果を出した経験を述べよ。
    ○良いチームワークに必要な要素は何か。
    ○同僚と仕事をする際の貴方のスタイルを述べよ。
    ○同僚といざこざがあったとき、どう対処したか。
    ○職場での人間関係の問題をどのように解決したか。
  • Communication
    ○応募先のポストは卓越したドラフト能力を必要としているが経験はあるか。
    ○ドナーへの報告においてコミュニケーション能力で鍵となる要素は何か。
    ○貴方が執筆した文書でコミュニケーション能力を示す例を述べよ。
    ○交渉力があるか。交渉力を示すような経験を述べよ。
    ○良いコミュニケーションをとるため、どのような工夫をしているか述べよ。
    ○苦情処理に対応したことはあるか。
    ○提案が上司に拒否された場合、どう対処するか。
    ○応募先ポストは当該国際機関の内外の部署の様々なスタッフと交流することが求められる。この点において、必要なコミュニケーション能力は何か。
  • Technological Awareness
    ○ソフトウェアやアプリケーション等、どのようなパソコンスキルや経験を有しているか。
  • Vision
    ○当該国際機関に入り、最初の100日間で何をするか。
    ○このポストに就いて、3週間以内にやりたいこと、やるべきことは何か。
    ○着任して10年間で何を実現したいか。
    ○当該国際機関の強みを用いて、どのようなことを行いたいか。
    ○キャリア目標について述べよ。
    ●自己アピール力や自己分析能力が問われている。
    ●国連で長期的に働くことの心構えについて聞かれる場合がある。
  • Managing Performance
    ○貴方のマネージメントスタイルはどのようなものか。
    ○どのように部下を管理・監督するか。
    ○異なるバックグラウンドを有する者が集まる環境で部下を管理したことはあるか。
    ○毎日深夜まで働いているスタッフをどう指導するか。
    ○反抗する部下がいたらどうするか。
    ○能力が十分でない部下をどのように育成するか。
    ○どのように部下に権限委譲を行うか。

3.技術的な質問

応募先ポストに求められる専門性により、技術的な質問の内容は異なります。例として、広報とロジスティックスに関連するポストの質問例は、以下のとおりです。

○メディアが描く当該国際機関のイメージを述べよ。(広報に関する質問)
○当該国際機関のプロジェクトで資金の不正使用があったとプレスから問い合わせがあった場合、どのように対応するか。(広報に関する質問)
○メディアに対応する際、情報の秘匿との関係で注意すべき点は何か。(広報に関する質問)
○どのような状況か分からない国に物を送らなければならない場合、どのようにするか。(ロジスティックスに関する質問)