初めてUNICEFを知ったのは小学生の頃で、母がUNICEFのクリスマスカードを購入していたからだったと記憶しています。テレビで紛争地に住む子どもたちや飢餓に直面する地域の様子を目にし、UNICEFの活動について関心を持つようになりました。
上記の国際協力や国際機関での勤務に興味を持ったきっかけにもありますが、すべての子どもの命と権利を守ることを使命とするUNICEFの活動に貢献したいと思いました。また、UNICEFは保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護、緊急支援等の活動を行っており、子どもたちのニーズに基づいて包括的な支援を届けることができることも重要であると思っています。
前職でNGOの駐在員として小児保健事業や新型コロナウイルス感染症対応事業の管理・運営を担った経験はUNICEFでの業務に活かされており、それ以前に小児科看護師として得た知識や経験も現在の業務に通ずるものがあります。
JPOとしてポストを獲得するために、専門性を高めると同時に海外勤務・海外事業経験を積むことを意識していました。志望機関と目指す関連分野の情報収集を積極的に行うようにしました。
2022年 日本政府により支援されたワクチン冷蔵庫 @UNICEF/2022
2022年 西スマトラ州の母子と @UNICEF/2022
2022年 母子栄養オリエンテーションに訪れていた子どもたちと @UNICEF/2022
UNICEFの国事務所に勤務しているため、現地の文化や慣習を尊重しながら働くことはナショナルスタッフや現地関係者との信頼関係を築く上で大変重要です。一方、インターナショナルスタッフからはナショナルスタッフとは違った視点からの意見や情報共有ができるため、インターナショナルスタッフとも良い関係性が築くことができると業務や現地での生活について助かることが多いように思います。
国際機関の職員に求められているのはそれぞれの分野の専門家ではありますが、NGO職員として事業運営から広報、総務、会計業務といった幅広い業務経験を積んだことで、UNICEFのような大きな組織内であっても異なるファンクションをもつ他セクションと比較的円滑に協働できているように思います。
現地での友人を見つけること、赴任地でできる趣味を見つけることが効果的な気分転換になっていると思います。赴任地の食事や文化等の理解を深めて楽しめるようになれば、さらに海外勤務を楽しむことだけではなく業務にも大いに役立っていると思います。
2022年 予防接種マネージャーとワクチン管理について話し合う様子 @UNICEF/2022
大学では看護学を専攻し、看護師と保健師資格を取得しました。保健医療分野よりさらに包括的に子どもたちを取り巻く環境への理解を深めるために、大学院は子どもの権利に基づくアプローチを学ぶことのできる修士課程を選び、King’s College LondonのInternational Child Studiesに進学しました。
国際機関だけでなく国際協力関連組織に勤務するということは、任期のあるポストとなってしまうことが多いことは仕方ないことであるとは思います。新たなポストを獲得できても比較的に早くに就職活動を再開しなければならず、常に「次のポスト」へのプレッシャーがあることは確かです。しかしその分、様々な地域での勤務経験を積めることや異なる文化や人々に触れ合えることを楽しみたいと思っています。
2023年 西スラウェシ州のヘルスボランティアと @UNICEF/2023
国際機関の職員に求められているのは即戦力の専門家です。早くから語学力を高めておくこと、幅広い組織や関心のある分野へのアンテナを張って選択肢を知っておくことで、専門性と目指したい方向性がマッチする場所を見つけることができるのではないかと思います。