外務省 国際機関人事センター

トップページ> 日本人職員のインタビュー集> JPOインタビュー記事> 国際連合児童基金(UNICEF) インドネシア事務所 保健担当官 大西 由香 氏

国際連合児童基金(UNICEF) インドネシア事務所 保健担当官
大西 由香 氏

大西 由香さん
1.国際機関で働くまでの経緯を教えてください。

国際協力や国際機関での勤務に興味を持った時期やきっかけ

初めてUNICEFを知ったのは小学生の頃で、母がUNICEFのクリスマスカードを購入していたからだったと記憶しています。テレビで紛争地に住む子どもたちや飢餓に直面する地域の様子を目にし、UNICEFの活動について関心を持つようになりました。

現在の勤務先(特定の国際機関)を選んだ理由

上記の国際協力や国際機関での勤務に興味を持ったきっかけにもありますが、すべての子どもの命と権利を守ることを使命とするUNICEFの活動に貢献したいと思いました。また、UNICEFは保健、栄養、水と衛生、教育、子どもの保護、緊急支援等の活動を行っており、子どもたちのニーズに基づいて包括的な支援を届けることができることも重要であると思っています。

他セクターから転職することで役立った経験(民間、NGO・NPO、省庁など)

前職でNGOの駐在員として小児保健事業や新型コロナウイルス感染症対応事業の管理・運営を担った経験はUNICEFでの業務に活かされており、それ以前に小児科看護師として得た知識や経験も現在の業務に通ずるものがあります。

JPO派遣制度に応募するにあたり、準備した点、心がけたことなど

JPOとしてポストを獲得するために、専門性を高めると同時に海外勤務・海外事業経験を積むことを意識していました。志望機関と目指す関連分野の情報収集を積極的に行うようにしました。

大西さんの写真1 2022年 日本政府により支援されたワクチン冷蔵庫      

2022年 日本政府により支援されたワクチン冷蔵庫 @UNICEF/2022

2.現在の業務について教えてください。

大西さんの写真2 2022年 西スマトラ州の母子と     

2022年 西スマトラ州の母子と @UNICEF/2022

大西さんの写真4 2022年 母子栄養オリエンテーションに訪れていた子どもたちと      

2022年 母子栄養オリエンテーションに訪れていた子どもたちと @UNICEF/2022

国際機関で働く上で意識していることや心がけていること

UNICEFの国事務所に勤務しているため、現地の文化や慣習を尊重しながら働くことはナショナルスタッフや現地関係者との信頼関係を築く上で大変重要です。一方、インターナショナルスタッフからはナショナルスタッフとは違った視点からの意見や情報共有ができるため、インターナショナルスタッフとも良い関係性が築くことができると業務や現地での生活について助かることが多いように思います。

これまでの経験で国際機関での勤務に役立っているスキルや経験

国際機関の職員に求められているのはそれぞれの分野の専門家ではありますが、NGO職員として事業運営から広報、総務、会計業務といった幅広い業務経験を積んだことで、UNICEFのような大きな組織内であっても異なるファンクションをもつ他セクションと比較的円滑に協働できているように思います。

海外勤務の中での気分転換法やリラックス法

現地での友人を見つけること、赴任地でできる趣味を見つけることが効果的な気分転換になっていると思います。赴任地の食事や文化等の理解を深めて楽しめるようになれば、さらに海外勤務を楽しむことだけではなく業務にも大いに役立っていると思います。

3.学生時代についておしえてください。

大西さんの写真3 2022年 予防接種マネージャーとワクチン管理について話し合う様子      

2022年 予防接種マネージャーとワクチン管理について話し合う様子 @UNICEF/2022

大学や大学院などの進学先を選んだ理由(国内外、英語圏、仏語圏、欧州、アジアなど)/学費や生活費の工面について(奨学金、貯金など)

大学では看護学を専攻し、看護師と保健師資格を取得しました。保健医療分野よりさらに包括的に子どもたちを取り巻く環境への理解を深めるために、大学院は子どもの権利に基づくアプローチを学ぶことのできる修士課程を選び、King’s College LondonのInternational Child Studiesに進学しました。

4.今後のキャリアパスについて教えてください。また、異なるライフステージ毎に直面
  
するであろうイベントとの両立について教えてください。

任期があるポストに就いていることについて

国際機関だけでなく国際協力関連組織に勤務するということは、任期のあるポストとなってしまうことが多いことは仕方ないことであるとは思います。新たなポストを獲得できても比較的に早くに就職活動を再開しなければならず、常に「次のポスト」へのプレッシャーがあることは確かです。しかしその分、様々な地域での勤務経験を積めることや異なる文化や人々に触れ合えることを楽しみたいと思っています。

5.アドバイスをお願いいたします。

大西さんの写真5 2023年 西スラウェシ州のヘルスボランティアと      

2023年 西スラウェシ州のヘルスボランティアと @UNICEF/2023

20代で国際分野でのキャリアを目指している方へのアドバイス

国際機関の職員に求められているのは即戦力の専門家です。早くから語学力を高めておくこと、幅広い組織や関心のある分野へのアンテナを張って選択肢を知っておくことで、専門性と目指したい方向性がマッチする場所を見つけることができるのではないかと思います。