SDGsに代表される国を超えて取り組むべき課題に、インパクトをもってアプローチできると思ったことと、多様な価値観を受け入れてもらえる職場環境に魅力を感じた為です。
人道支援に興味があったことと、フランス在住時に現地のNGOで食糧配給ボランティアを経験したことがきっかけでWFPでの勤務を希望するようになりました。
私は民間からの転職でしたが、ポストで求められる専門性、多様な価値観を認められる柔軟性や国際的感覚、語学力などは民間、国際機関を問わずとても役に立つと思います。
私が現在勤務しているWFP地域事務所の予算部門では、国事務所から上がってくるレポートを分析してどこの国が資金が足りなくなりそうか、食糧が足りなくなりそうか、ということを本部に報告し、円滑な調達および配給をサポートすることが主な業務です。その他にも調達部門やロジスティック部門と協力して、年間の調達計画を立てたり、国事務所の人出が足りない場合には出向をしてサポートをしたりしています。
2022年ナイロビ国連コンパウンドにて
私が特に意識しているのは、コミュニケーションを明確かつ密にすることです。 あ、うんの呼吸で通じる日本とは違って、同じ言動でも異なる解釈をする人がいることを常に意識して、言葉は少し多めに、明確に伝えるようにしています。また、同僚とのランチやコーヒー休憩を通して関係を築くことも仕事の一部だと思って、大切にするようにしています。
もしその問題解決につながる適切なアドバイスをもらえそうな人がいる場合は、出来る限り質問をするようにしています。意外に簡単に問題が解決することも多いですし、「私は今このような問題に直面している」ということを共有することで、別のサポーターが現れてくれることもあるからです。 また問題が複雑な場合は、時には一歩ひいて客観的な判断を心がけることも大切だと思っています。
英語はやはりネイティブのように洗練された言い回しができず歯がゆい思いをすることもありますが、ノンネイティブでも、はっきりとした口調でとても印象に残る話し方をされる方にお会いする機会も多く、私もそのようになれたらなと思っています。また、フランス語は現在の業務では必須ではありませんが、フランス語が話せることで任せてもらえる業務もあり、仕事の選択の幅が広がるという意味で、フランス語を学習しておいて、とてもよかったと思っています。
2022年WFP東アフリカ地域事務所予算部門同僚とワークショップ後に
語学学習は、好きだったこともあり積極に取り組んでいました。
大学進学時には、留学制度が整っている大学を選択しました。そして念願かなって大学3年時に1年間フランスに留学をし、それがその後フランスの大学院に進学するきっかけになりました。
日本では返還義務のある奨学金が主流ですが、海外では返還義務のない奨学金も多数ありますし、学費ローンを組んでいる学生もたくさんいますので、もし海外への進学を希望されている場合は、色々な可能性を検討されるとよいと思います。
常に次のポストのことを意識しながら働くことは、決して楽なことではありませんが、他の多くの同僚が同じ境遇なので、その点悩みや考えを共有できてありがたいと思っています。
WFPの場合は正規職員になると必ず数年ごとに異動があり、世界の色々な国や地域で経験を積めるのは大きな魅力でもありますが、異動を避けるために敢えて短期契約の更新を続けていくことを選ぶ方もいらっしゃいます。一方で、機関によっては異動がない機関もありますので、ご自身の理想のライフスタイルに近い選択ができるよう、機関ごとの勤務条件の違いや契約形態の違いも出来る限り事前に情報収集されるとよいかもしれません。
2022年ナイロビ駐在WFP各国JPOの同僚とランチ
それぞれご自分に合った対処法があると思いますが、私の場合はどんなに忙しい時でも一度オフィスを離れたら出来る限り仕事から離れて、オンとオフを切り替えるようにしています。就業時間中は出来るだけ集中して短時間で成果を出し、職場を離れたら趣味や家族との時間を大切にするという働き方が評価される環境にあるのは、とてもありがたいと思っています。
国際機関への道は一つではなく実に多様で、だからこそ何が正解か分からず、迷われる方もいらっしゃるかと思いますが、色々な方のお話を聞きながら、一番ご自身に合った機関や職種、そしてそこに向かう道のりを見つけられてください。
2023年WFPジブチ国事務所同僚とワークショップ後に