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ルワンダ国際刑事裁判所の概要
(International Criminal Tribunal for Rwanda (ICTR))

平成24年3月

1.設立根拠

  安保理決議第955(1994年11月8日採択(賛成13、反対1(ルワンダ)、棄権1(中))による。同決議は、国連憲章第7章下で、ルワンダ国際刑事裁判所の設立を決定。決議の付属書として同裁判所規程を採択。

2.設立の背景

 ルワンダにおいて1994年4月のハビヤリマナ大統領の死亡を契機に再発した内戦において国民の大量殺害が発生した。これに対し、同年7月1日、安保理は、国際人道法の重大な違反を調査するための専門家委員会を設置(安保理決議第935号)。同委員会はその中間報告(同年9月29日付)において、ルワンダにおいて国際人道法の重大な違反が行われたと報告、右違反について責任を有する者が独立の国際法廷で裁かれるべきであることを勧告した。右勧告を受け、安保理は、ルワンダ国際刑事裁判所の設立を決定した(安保理決議第955号)。

3.概要

(1)所在地、職員数、予算

(イ)所在地:第一審裁判部:アルーシャ(タンザニア)
上訴審:ハーグ(オランダ)
検察局:キガリ(ルワンダ)
(ロ)職員規模:628ポスト(2011年)
(ハ)予 算:245,295,800ドル(2010-2011年)

(2)裁判所の権限(裁判所規程第1〜9条)

 1994年1月1日から同年12月31日までの間に、ルワンダ領域内において国際人道法上重大な違反を侵した者及びルワンダ隣国において国際人道法違反行為を行ったルワンダ人をルワンダ国際刑事裁判所規程に従って訴追する権限を有する。具体的には、(イ)ジュネーブ諸条約違反、(ロ)集団殺害、(ハ)人道に対する犯罪、とされる。訴追対象は自然人であり、犯罪の実行者に加え、実行を命じた者、扇動した者等も訴追される。国内裁判所との関係では、ICTRが優越する管轄権を有する。

(3)裁判官の資格と選出方法(裁判所規程第12条)

(イ)常任の裁判官は16名、任期は4年(再選可)。

(ロ)裁判官は、徳望が高く、各自の国で最高の司法官に任ぜられるのに必要な資格を有する法律家でなければならない。裁判部全体の構成にあたっては、国際人道法と人権法を含む、刑法と国際法における裁判官の経験を然るべく考慮しなければならない。なお、裁判官は国際司法裁判所(ICJ)判事と同等の待遇を受ける。
(ハ)国連事務総長の要請により、各加盟国及び常駐オブザーバーが提出した候補者から、安保理が協議の上、候補者リストを決定し、総会に送付。総会は、右リストに基づき、選挙を実施。なお、同一国から2名の判事を選出してはならない。

(4)活動状況 (2011年9月現在)

被起訴者数:92名
(イ)進行中:11名(うち第一審待ち1名)
(ロ)審議終了:65名(有罪確定38名(うち1名は判決後に死亡)、上訴中19名、無罪放免8名)
(ハ)判決前に死亡2名
(ニ)国内裁判所(仏、ルワンダ)への移管3名
(ホ)起訴取り下げ2名
(ヘ)身柄確保未了:9名

(5)完了戦略

(イ)ICTRは、当初から時限的な国際機関として設立されており、安保理決議第1503号(2003年8月28日)は、2004年末までにすべての捜査を終了し、2008年末までに第一審審理を終了し、2010年にすべての審理を終了するため、あらゆる可能な措置をとることを要請した。

(ロ)上記完了戦略遂行のため、ICTRは、訴訟裁判官及び職員の増加、審理担当中の訴訟裁判官の任期延長といった措置や、中・下級レベル事案の国内裁判所への移管、職員の配置換え、複数事件併合審理、審理プロセスの簡略化、電子システムの導入、手続き規則の改正等の効率性増大の取組が行われてきた。

(ハ)一方で、裁判所の完了に向けて、2009年から、安保理の下に設置されている旧ユーゴ・ルワンダ国際法廷(ICTY・ICTR)に関する非公式作業部会において、両裁判所完了後に残すべき機能(残余メカニズム)について検討が開始され、残すべき機能の範囲、メカニズムの開始時期、構造等を中心に議論が行われてきた。

(ニ)2010年末までに全ての審理を終了することができなくなったとの見通しが明らかになったことを踏まえ、2010年12月22日、安保理は、ICTY・ICTRの業務を2014年末までの完了することを要請し、ICTY・ICTRのための国際残余メカニズムの設置を決定する決議第1966号を採択した。

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