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第15弾
小池絵未の国際機関探訪

小池絵未の国際機関探訪 国連事務局テロ対策室 政務官 倉持 奈央子さんインタビュー

Official Character, JINSE-kun, Frame 倉持 奈央子 さん

国連事務局 (UN Secretariat)

テロ対策室 政務官

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1.いつ頃、国際機関で働こうと思いましたか?

本日は、個人的立場からインタビューにお答えできたらと思います。

幼少の頃から、紛争解決に関心をもっていましたが、具体的に考え始めたのは高校生の頃でした。校内での日々の学びを通して、世界の紛争や人権問題、自然災害などで困っている世界中の人々の状況について考える機会がありましたし、緒方貞子さんが姉妹校の卒業生だったことや、幼馴染が国連広報センターでインターンシップを経験していたので、国連をより身近に感じました。

高校生の時に、本を通じて、国連で働くには英語と特定の専門分野での経験が大事と知りました。当時、様々な分野に関心があったため、どの分野をより掘り下げて専門性を身につけたいか決めるのに苦労しました。

大学時代に自分はどの専門分野に進もうか具体的に模索しました。

2.どのような学歴をお持ちですか?

私は東京で生まれ育ちましたが、一人っ子のため、友人と一日中過ごせる寄宿舎と校風に惹かれ、高校の時に静岡の不二聖心女子学院に進学しました。平日は学校で友人と、週末は東京の自宅で家族と過ごす3年間を送りました。

そのまま姉妹校の聖心女子大学に進学し、歴史社会学科で国際交流を専攻しました。大学中には第二外国語でスペイン語を選択し、第三外国語でフランス語を学びました。スペイン語はすっかり忘れてしまいましたが、大学で学んだ知識をもとに、現在国連の語学センターで改めてフランス語を学んでいます。

大学卒業後は、ロンドン大学大学院で修士課程に進学しました。大学院では、外交理論と実践、アフリカの政治理論及び国際法について学び、予防外交に関する修士論文を執筆しました。

3.国際機関に入る前はどのようなお仕事をしてきたのですか?

まず様々なインターンシップを経験しました。大学卒業直後にさせて頂いた、表参道にある国連広報センターでは、国連の様々な分野の活動を横断的に学ぶ機会がありました。また、次に経験したニューヨークにある国連事務局政務局アジア太平洋部では、南アジア情勢を注視しつつ、国連部局間を含めた会議でのメモとり作業等を通じ、国連政務局として地域の平和と安定に寄与出来ることは何か考える機会を頂きました。

更に、国連日本政府代表部の経済部でのインターンシップ中には、加盟国の立場から、非公式/非公開協議も含め、様々な会議を傍聴し、国連での議論を垣間見る機会を頂きました。

帰国後、AFP通信社の東京支局でのインターンシップやジャパンタイムズの編集アシスタントの仕事を経て、文章力の向上に取り組みました。

その後、在インド日本大使館の政務班で2年、在スリランカ日本大使館の政務班で2年弱、専門調査員をさせて頂きました。4年間弱の大使館勤務は、外交の実務の基礎を学ぶ上でとても貴重な経験になりました。また、特にスリランカでは紛争終結後3-5年たった頃でしたので、元紛争地帯への出張や選挙監視を行う国内NGOへの草の根支援業務、平和構築関連の調整業務を通じて、様々な学びがありました。

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4.どのような方法で国際機関に入りましたか?

スリランカで専門調査員をしている際、リベリアの国連PKOミッション(UN Mission in Liberia)の政務官(国連ボランティア)のオファーを頂きました。

エボラ危機の最中にリベリアに派遣され、特定の政治プロセスの支援を担当しました。例えば、2014年の上院議員選挙の際には、選挙に向けた国内の取り組みを支援した他、UNDPと密接に連携しながら、UNMIL内及びUNMILと選挙管理委員会の間の調整をサポートしました。

UNMILで勤務している間に、JPOに合格し、インターンでお世話になった国連事務局の政務局アジア太平洋部で、2年弱政務官補として勤務させて頂きました。南アジア数か国の担当官として、事務総長の斡旋を支援する国連幹部の業務をサポートするための様々な文書を起案したり、政務局の在ネパール調整事務所(Liaison Office)を後方支援するなどしました。

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5.現在の仕事について詳しく教えてください。

昨年6月から国連テロ対策室の政策調整ユニットで勤務しております。同対策室は比較的新しく、2017年に就任したグテレス国連事務総長の下での国連改革の初めのイニシアティブとして、同年6月に総会決議(A/RES/71/291)によって設置されました。

同対策室の役割としては、テロ対策分野の政策に関するリーダーシップの発揮、国連の取り組みにおける一貫性と調整の強化及び加盟国への能力向上支援の提供の強化があります。

この中で、私は、加盟国及び地域機関がテロリズムにつながる暴力的過激主義の防止・対策のための国家・地域戦略及び行動計画を策定・履行する際に、様々な国連オフィスと連携しながら、政策支援を調整しつつ、円滑に進めるプログラムを担当しています。またオフィスの中での地域分担として、東南アジアを担当しております。

6.今後のキャリアについてどのようにお考えですか?

引き続き、紛争予防・予防外交を自分の柱としながら、平和な世界の実現に向けて少しでも貢献できるよう、引き続きバランスよく、視野と知見を広げつつ、スキルと専門性の向上に努めていきたいと思います。

7.国際機関を目指している方にメッセージをお願いします。

まずは、なるべく早い段階で、自分の進みたい分野を特定し、その分野での専門性を深めることが大切だと思います。今の時代にはすべての事柄が結びついていると思いますので、途中でやっぱり別の分野で専門性を見出したいと思った時でも、前の経験を十分に生かすことは出来ると思います。そして、どのようなキャリアパスを経たいのか、様々なオプションを研究することをお勧めします。

また、日本での就職活動は、大学時代に集中しがちですが、国連での勤務を希望する場合には、自分のペースで、まずは出来ることからどこの組織でも通用するスキルを着実に身に着けていくことが大切だと思います。

更に、精神面では、世界中どこでも必要となる、人を思いやる心や忍耐力も大切な要素だと思います。日本人社会で勤務していたら当たり前のことも、様々な国籍の人々と仕事をするとなると、当たり前ではなくなることも多々あります。多様性の尊重は国連の文化であり、相手の気持ちに配慮を示しながら忍耐強く協議し、スムーズに業務にあたる能力は大切だと思います。

日本では、国際機関で勤務することは敷居が高いと思われがちですが、国連は世界人類の平和と安全に向けて取り組む機関です。あらゆる世代のより多くの方が国連と関わりを持ち、国連が掲げる課題や理想の実現に向けて一緒に取り組んでいただけたらと日々願っています。

8.今回の取材を振り返って感じたこと。

今回、倉持さんとお話しをさせていただいて、まずは、なるべく早く、中学生や高校生のときから自分のやりたいことを決めることが重要だと感じました。

倉持さんは、高校生のときに本を沢山読んで、どうしたら国連に入れるのか、どういう仕事があるのかを深く研究したそうです。そして、英語を勉強することと、一つ専門性を持つことが大事と学んだそうです。さらに、高校生・大学生の時に、自分の意思で夏休みに海外に行って、英語を話す機会を持つようにしていたそうです。大学院を出た後も、英語で文章を書く力が大事だと感じて英語で編集アシスタントの仕事もされたそうです。

自分の意思で、やりたいことに向かって努力すれば、必ず自分のやりたい職業につけると、改めて今回の取材で感じました。

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「小池絵未のNY発国際機関探訪」VOL.15

出演:倉持 奈央子さん 

国連事務局 テロ対策室 政務官

取材地:ニューヨーク

2019年6月更新