国連職員とは国際機関職員になるには応募書類の書き方面接について国際機関人事センターについて

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面接について


■ 面接の評価ポイント
         
1. 国際機関で働く以上、あらゆる面で高いレベルの価値観、道徳観、人格が要求されます。知識、教育、経験が主として学歴や過去の業績や著作で判断される一方で、面接の重点は、コミュニケーションにかかわる能力と性格や人柄を考察することです。
 
2. なお、面接官の質問に対しては、積極性を示すことは大切ですが、簡潔にポイントをついた受け答えが大切であり、「しゃべりすぎない」ことに注意が必要です。
 
3. また、自分の経歴を述べる際には、自らが関わった業務の説明は最低限にとどめ、その業務における自らの業績を訴えることに主眼を置くことが大切です。そのためには、「I」(フランス語の場合は「Je」)を主語にして「自分は〜をした。」と過去形で話すように心がけましょう。
         
         
■ 国連が求める人材像
         
 一つの目安とお考え下さい。
    1. UN Core Values ― 国連職員に求められる資質
   
   
(1)
Integrity - 誠実な人格、私利私欲に走らない、不当な政治的圧力に屈しない
   
(2)
Professionalism - プロ意識、専門的能力の発揮、職務遂行に対する忍耐力
   
(3)
Respect for Diversity - 多様性の尊重、様々な背景を持った人々との協力
         
    2.UN Core Competencies ― 国連職員に求められる能力
   
   
(1)
Communication - 明確で効果的な表現能力、聞取り能力、対話能力、情報の共有
   
(2)
Teamwork - 協調性、同僚に学ぶ意欲、チーム全体を考慮しての行動、責任の共有
   
(3)
Planning & Organizing - 戦略に沿った明確な目標の設定、優先順位の明確化
   
(4)
Accountability - 職務遂行能力、内部規定の遵守、業務に関する説明責任
   
(5)
Creativity - 職務・サービスの改善に対する積極的追求、新たなアイデアの提供
   
(6)
Client Orientation - 顧客の視点に立つ、ニーズへの適切な対応、期限の遵守
   
(7)
Commitment to Continuous Learning - 自らの能力を不断に磨く、他者に学ぶ精神
   
(8)
Technological Awareness - 職務に有用な技術の理解と活用、新技術習得の意欲
         
    3. UN Managerial Competencies ― 幹部職員(P-4/P-5 以上)に求められる能力
   
   
(1)
Leadership - 率先垂範、統率力、人脈の構築・維持、トラブル解決力
   
(2)
Vision - 戦略の明確化、戦略における自らの仕事の位置づけ、将来展望
   
(3)
Empowering Others - 部下にやる気を起こさせる、部下の努力・業績を讃える
   
(4)
Building Trust - 信頼関係を築く能力、守秘義務の遵守、合意事項の行動化
   
(5)
Managing Performance - 責任者・役割分担の明確化、時間管理、意志疎通
   
(6)
Judgment/Decision-making - 情報収集に基づいた的確な決断力・判断力
         
         
■ 面接の内容
         
   面接で問われる内容は、主に次のような事項です
         
    1.個人の経験
    学歴と職歴について、応募書類に書かれた情報を確認すると同時に、当該空席の職務および要求されている資格要件との関連を明確にするため、質疑応答が行われます。
         
    2.人生観
    全体的に興味または趣味が広い応募者かどうか問われます。一般的に国際機関は、仕事と趣味等の両面に興味を持っているバランスの取れた人物を好みます。
   
    3.応募している機関に対する態度や姿勢
    応募している機関の活動内容をきちんと理解しているか、そして十分な関心をもっているかが問われます。
   
    4.国際問題に関する関心
    国際機関に働く以上、国際問題に関心を持つことは職員として当然期待されます。常に国際情勢に関心を持ち、面接の前には最近の国際問題を掴み、自分としての立場を考えておくことが必要です。
   
    5.仕事に対する姿勢や態度
    働く意欲、情熱度を表現することは非常に重要です。
         
         
面接における質問例
         
   以下の事項について質問がなされることが多いようですので、これらについて英語(またはフランス語)で的確に説明できるよう準備することが有効です。
         
    1. 人柄、人間性
    自己PR、自分の長所、短所(性格のどこが国際機関に向いているか等)
    意志決定をする時の方法
    意見の相違がある時にどのように対応するか
    外国での生活経験(家族の生活経験を含む)
    着任までに必要な期間、心の準備ができているか
    自身の仕事上でのストレスの克服・管理方法
   
    2.志望動機
    応募ポストへの志望動機、国際機関職員になりたい理由
    国際機関の中で応募した当該国際機関を選択した理由
    現在の仕事を変わりたい理由、現在の給与についての質問
    応募したポストの業務内容にどのような貢献ができるか
    応募しているポストに選ばれなかった場合はどうするか
   
    3.経歴、専門性、国際機関に関する知識など
    専門知識、取得した資格、著作等の内容に関する質問
    ITについての知識、経験
    以前の勤務先の業務内容、退職した理由
    現在の勤務先が一番大切にする価値観とは何か
    今後のキャリア開発についての考え
    当該国際機関及び部局の組織、現在実施しているプロジェクト、課題
    当該部局の業務のあり方、新しい業務方法を導入する場合、どのようなものが適当か
    民間部門と公的部門の違い
    これまでの業務でうまくいった(いかなかった)例とその原因
    第二外国語の語学力
   
    4.以下、応募ポストが管理職レベルである場合
    管理職としての経験
    部下のやる気を引き出すにはどうしたら良いか
    パフォーマンスが悪い部下の指導について
         
         
面接の方法
         
   面接の方法は、国際機関によって異なり、また採用レベルによっても異なります。面接は1対1で行われる場合と、一人の応募者が何人かの国際機関側の職員と向かい合わせに座りやりとりをする場合があります。
 
  1.プレゼンテーション(oral presentation)
  機関や採用レベルによっては、応募者は、与えられたトピックに対する5分間程度のプレゼンテーションを行う場合があります。通常は、応募している職種に関連するトピックが与えられ、10分程度で発表内容をまとめることとなります。特に評価ポイントとなるのは、トピック自体の理解と論理構成能力、そして自身の意見を他の人たちに分かりやすく伝える能力です。
 
  2.電話・ビデオ面接
  最近では、電話やビデオを使った面接も多く行われています。直接対面するよりも緊張を強いられますので、応答内容については、事前に十分準備しておくことが必要です。
 
  3.グループ討議(group exercise)
  グループ討議が行われる場合には、一般的に、様々な問題を含んだケースをある一定時間内に分析・討議し、グループとしての解決策をまとめるように要求されます。ここで問われるのは、時間内で問題を分析・討議する能力と同時に、コンセンサスを作り上げる能力です。
         
         
面接での応答例
         
  Simulation1.(Self-Introduction)  自己紹介(志望動機等を含む)
         
    A: 面接官 Good afternoon, Ms. Sato. I am Pierre Pelanne of the Examinations and Tests Section of the Office of Human Resources Management(OHRM)
at the United Nations. These are my colleagues,
Ms. Catherine Rolland, Mr. Michel Pelsise, and Ms. Rie Suzuki, all of OHRM..
     
ここでは面接官が4名という設定。名前と所属部署の言及がある。
         
    B: 候補者(被面接者)Good afternoon. I am Keiko Sato from Nishinomiya, Japan.
     
面接を受けるのは西宮出身の佐藤恵子さんという設定。
         
    A: 面接開始前に何かあるか否か問う質問
      Please have a seat so we may get started. Is there anything you need before we begin?
    応答例B:No, thank you. I believe I am ready.
         
    A: 開始 Now, shall we begin?
    B: Yes, I'm ready.
     
面接が始まる前に言っておくべきことがある場合には、遠慮なく面接官に伝えること。
     
面接官はその場の雰囲気を和やかにしようと努める場合が多い。
         
     
予想される質問には事前に答えを準備しておくことが望ましい。
         
    A: 国連への興味についての質問 How did you become interested in working for the United Nations?
    B: 応答例 Since I was a child, I have admired the work of the UN, and much of my academic career was guided by this admiration. Although I didn't necessarily think I would be working for the UN, I did plan on working for some organization which upholds the same ideals.
     
答えがあまり長くならないようにする工夫が必要。
         
    A: 国連で働く志望動機
      What is it about the UN specifically that makes you want to work here?
    B: 応答例1 I very much believe in the ideals of the Charter, and follow the work of the Organization in my academic area fairly closely. It would make me proud to contribute to the successes the UN has achieved in this area.
     
志望動機については簡潔にポイントをついた答えが大切。
     
志望動機と共に現在の職業を辞めていつから勤務できるのか等、具体的な質問が出る可能性もある。
     
簡潔に答えた後に、更に詳しく説明を求められれば長く説明しても構わない。要は相手の反応を見て答えていくことが肝要。
         
    B: 応答例2 In my professional area, the UN is the one of the few organizations which offers opportunity in this specialty. I have followed the work of the UN throughout my academic and professional career, and it has played a major part in my research.
         
     
応募しているポストについてどれだけ理解しているか、また、国連で長期的に働くことの心構えについて聞かれる場合がある。
         
    A: ポスト獲得後の展望についての質問
      Should you be recruited to work with the Organization, where do you see yourself in ten years?
     
自己アピール能力が問われている。
    B: 応答例1
      I would like to be the First or Senior Officer over a Section in the area of [micro-economics], also would like to have had the experience of several field missions, and contributing to the Organization at other duty stations.
         
     
自己分析能力も問われていると言える。
    B: 応答例2
      I see myself as being a more well-rounded professional, and having had experience in many parts of the Organization. While my interests lie primarily in [economics], I believe it is important to gain a wide range of experience, especially in people management and leadership, as I take on more responsibility.
         
         
  Simulation 2. (Academic Qualifications)
    学術的資質(専門分野)について
     
国連では英語またはフランス語で職務遂行が可能であることが必須とされる(その他の国連公用語、すなわち、アラビア語、中国語、ロシア語、スペイン語の知識があればより望ましい)。
    A: フランス語力を確認する質問:
      I see by your application that you have some French. May I ask you some questions in French?
    B: 応答例1: Yes. That would be fine.
     
応募用紙には、通常、語学力を記入する項目があるので、第二外国語(この例では フランス語)ができないからといって、それに よって全体の評価が下がることはないので、あまり気にすることはない。
    B: 応答例2: Although I do not consider myself fluent, I would be glad to try to answer some questions in French.
    B: 応答例3: My French is quite limited, but I would be glad to try.
         
     
国連の専門職員は原則として修士課程修了が必須とされている。
    A: 専門分野についての質問: 
      Academically, what do you feel prepares you for a position in [economics] at the UN?
     
ここでも簡潔にポイントを絞った答えが望ましい。面接官は事前に応募用紙に目を通しているので、確認の意味で質問しているにすぎない場合が多い。
    B: 応答例1: Both my bachelor's and master's degrees were related to economics, and my master's course work is directly related to the work the UN does in this field. My thesis was on [economic development in Latin American countries]. 
     
面接官が関心を持てば、更に質問されることがあるので、その場合は面接官の関心ある事柄だけを説明すること。自分の学歴や研究成果、職務業績以外の余計なことを言わないように注意が必要。
    B: 応答例2: My academic course work as well as my research has been geared toward UN work in this field.
     
国連の仕事は高い専門性が求められるがあくまで「公務員の仕事」であることを認識しておくことが大切。国連の職務は「学者の仕事」とは異なる。
         
    A: 国連の仕事との関連についての質問: 
      Specifically, which courses do you feel relate to work in [economics] at the UN?
     
応募ポストの資質に自分が適切であることを訴えることが大切。
    B: 応答例: While my courses in [list two or three courses] are directly relevant, I feel that the breadth and depth of my academic experience is what best prepares me for working here.
     
アカデミック・バックグランドを確認する質問(あらかじめ応募書類に書き込んでおくことが望ましい)。
         
    A: 学術的業績についての質問: 
      Have you been awarded any academic distinctions in your field?
     
当然のことだが、あくまで自分の業績を述べること。研究チームの成果に触れる場合はそのチームの中での自分が果たした役割をアピールすること。
    B: 応答例1: Yes, I have. I was elected president of the Economics Club, and also received the Dean's Award for Outstanding Senior Thesis in Economics.
    B: 応答例2: Although I have not received any formal awards, each of my Professors thought very highly of my work, and you may refer to my references for further assessment.
         
         
  Simulation 3. (Merits) 
    長所について
     
国際機関における職務遂行上、自分のキャリアが如何に有用であるかを訴える能力が面接では試される。
    A: 国際機関での仕事における貢献度についての質問:
      In working for an organization like the UN, there is much more that contributes to your success than academic merit. What do you see as your strong points in this regard?
     
受け答えの基本として、面接官が述べた考えに対して肯定的に反応した上で、自分の考えを述べること。
    B: 応答例: I strongly agree that schooling in a substantive area is only part of the education. I believe that my strongest assets are my sensitivity to working in a multi-cultural environment, my ability to put an idea into action and see it through to completion, and my sense of humor. I would see each of these as important assets in working with the UN.
     
以下は、想定されうる3つの質問。答えは経歴によって異なるので事前に用意することが望ましいが、ポイントをついた答え方を考えておくこと。
    A: コミュニケーション能力についての質問: 
      Can you give us an example of a time when you found yourself in a situation where you needed to use your skills in multi-cultural communication?
    A: 自らの資質と国連での職務との関連性についての質問: 
      What merits have your former supervisors or academic colleagues recognize in you, and how do you see yourself applying these assets to your work at the UN?
    A: 自らの特性と国連での職務についての質問: 
      What personal attributes do you have which may contribute to your work at the UN? 
         
         
  Simulation 4. (Shortcomings)
   短所について
     
面接では聞かれやすい質問なので、あらかじめ答えを用意しておくことが望ましい。
    A: :自分の欠点についての認識: 
       Reviewing your qualifications, we find it difficult to imagine that you may have any shortcomings. But what might you consider to be your weak points?
     
欠点を認識していること、そして職務上それを補う方法を考えていることを伝えることが大切。
    B: 応答例 Well, although I tend to prefer working in a team and try to include my colleagues' ideas and input in all possible ways; in an office in which each staff member works totally independently of others, I might need to learn to adapt.
    A: 更に質問された場合 A: Any others?
     
欠点を少なく言及したいのは人情だが、複数の答えを用意しておくことが賢明。
    B: 応答例: While I recognize the importance of a balanced life, I find myself to be a bit of a workaholic. My friends and family complain that I put too much effort into my work. I think I could work to overcome this, and still contribute greatly to the work of the office. 
         
         
電話面接の際の注意事項
         
    1. 電話面接は、面接官の顔が見えないため、相手の表情に応じた受け答えができないという特徴がある。受験者(被面接者)には、通常の面接の際なら可能な受け答えの「間」が取りにくい点で、つらい状況に置かれることになるが、他の受験者も同じ条件なので、あまりネガティブに構えないことが大切である。また、相手の表情が分からないので、一度の発言では、あまり話しすぎずに、簡潔に、要領の良い発言が望ましい。
         
    2. 面接のやりとりの始まる前に、電話回線の状態が良いか悪いかを確認し、悪い場合は前もって述べておく(リスニング力や理解力が悪いとされてしまう)。
         
    3. 電話面接は、すぐに本題に入ることが多いので、最初からポストに関わる専門の知識が問われることがある。その分、専門的知識を長い時間(あるいは面接の大半の時間)に亘って問われ続ける形式の面接になる可能性が大きいので、あらかじめ、自分の専門知識の Q and A を数多く想定しておくとよい。
         
    4. 面接者(質問者)が1人であるとは限らないので、質問が複数の違う声でなされることがある。男性の声で質問が続いたと思ったら、いきなり女性の声で質問されるなどの状況がありえる。面接の初めに、質問者が挨拶する際などに、何人が質問してくるのか確認しておくとよい。
         
    5. 質問が聞こえなかった場合は、技術的な理由で聞こえなかったと正直に言う、あるいは、応える前にポイントを確認する質問をして、自分の理解がピンぼけでないかどうか確認しておく。更には、質問のポイントを短く言い換えて、自分は右の理解で質問に応えているという前提を明確にしておく。相手のポイントに誠実かつ論理的に応えようとしていると思われなければ、印象が悪くなる。ポイントがずれたところを脈絡もなく延々としゃべると理解力や表現力を疑われる。長くしゃべるなら、まず話す内容の展開を予め示してから本論に入ると質問者にうけ入れられやすい。
         
    6. 突飛と思えるような質問がありえるが、とっさにどのような対応を取るかを見ているので、完璧な答えでなくとも、理屈の通った対応をすればよい。
         
    7. 自分の出した履歴書(CV)に関する質問には完全に応えられるよう準備しておくことは必要条件である(CVに嘘があると思われると致命的)。
         
    8. 後々のためにも、どのような質問を受け、どのように応えたかをメモしておくとよい。