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国際海事機関(IMO)
International Maritime Organization

1.組織

 IMOは船舶の安全及び船舶からの海洋汚染の防止等、海事問題に関する国際協力を促進するための国連の専門機関として、1958年に設立された(設立当時は「政府間海事協議機関」。1982年に国際海事機関に改称。)。我が国は設立当初に加盟国となり、理事国の地位を保持している。2009年2月現在、168の国・地域が正式に加盟し、3地域が準加盟国となっている。
 
  IMOには、総会(2年に1回開催)、理事会(年2回開催)に加え、条約の審議等を行う海上安全委員会(Maritime Safety Committee)、法律委員会(Legal Committee)、海洋環境保護委員会(Marine Environment Protection Committee)、技術協力委員会(Technical Cooperation Committee)及び簡易化委員会(Facilitation Committee)の5つの専門的な委員会がある。
 
 

2.主な活動

 IMOは、船舶の安全、海洋汚染防止、海難事故発生時の適切な対応、被害者への補償、円滑な物流の確保などの様々な観点から、船舶の構造や設備などの安全基準、積載限度に係る技術要件、船舶からの油、有害物質及び排ガスの排出規制等に関する条約等の作成や改訂を随時行っている。
 
  これまでに作成された主な条約には、1912年に発生したタイタニック号の沈没事故を契機に1914年に作成された最初の海上人命安全条約(1914SOLAS条約)の流れを汲んだ船の構造、救命設備、無線設備などの基準を定めた「1974年海上人命安全条約(1974SOLAS条約)」、貨物の積載限度に関する「1966年満載喫水線条約(LL条約)」、船舶の運航に起因する汚染防止のための「海洋汚染防止条約(MARPOL73/78条約)」、国際航海に従事する船舶の入出港に関する手続を簡易化する「国際海上交通簡易化条約(FAL条約)」等がある。
 
 また、IMOでは、旗国(船舶の船籍国)による国際基準の遵守能力に差があり、サブスタンダード船(条約非適合船)の増加などの問題が生じている状態にかんがみ、寄港国による監督(ポートステートコントロール)の他、旗国による国際基準の遵守状況を検証する方策が検討されていたが、2003年の総会において、我が国等の発案により、「任意によるIMO加盟国監査スキーム」が創設され、2006年より順次実施することとされた。この枠組みは、IMOの加盟国が、自国籍船舶に対してIMOで定められた安全確保・環境保全に関する基本的な条約を履行させる義務を十分に果たしているかについて、任意により専門家による監査を受けることができるものである。

3.海洋環境保護、テロ対策及び海賊対策に対応した国際的関心の高まり

 1997年1月に日本海沖で発生したタンカー「ナホトカ号」事故、1999年12月にフランス・ブルターニュ沖で起きたタンカー「エリカ号」事故、2003年にスペイン沖で発生したタンカー「プレスティージ号」事故等、実際に大きな海難事故が発生していること等を背景に、海上安全や海洋環境の保護に関して国際的な関心が高まっていることから、IMOの活動はますます重要となっている。
 
  また、2001年9月の米国同時多発テロを受けて、海事分野におけるテロ対策の必要性が認識され、2002年12月に開催されたSOLAS条約締約国会議において、新たに海上保安のための措置を規定する附属書(第XI-2章)が追加され、2004年7月1日に発効しました。さらに、2005年10月には、「海洋航行不法行為防止条約(SUA条約)」に関し、船舶等を使用した不法行為及び大量破壊兵器等の拡散行為の防止に資する改正のための2005年の議定書が採択された。
     
  一方、近年増加の一途をたどるソマリア沖海賊問題に関しIMOは、2007年11月の第25回総会においてソマリア沖海賊対策に関する決議(A1002)を採択した。これを受け、2009年1月、ジブチにおいて、IMO主催によりソマリア周辺海域海賊対策地域会合が開催された。同会合において、「西インド洋及びアデン湾地域における海賊及び武装強盗の抑止に関する行動指針」等がソマリア海域の周辺諸国によって採択された。
 

4.我が国の貢献

 我が国は、組織の設立以来、継続して理事国としてIMOの活動に積極的に参加し、各種規則の策定等に大いに貢献している。2007年11月に行われたIMO第25回総会において、我が国は理事国に再選された。
 
 また、我が国は、主要海運・造船国としての知見を活かして、各種条約を始めとしたルール策定の審議にも積極的に参加している。最近では船底への有害な塗料の使用を規制する条約(2001年の船舶の有害な防汚方法の規制条約(AFS条約))を我が国から提案し、採択に至るなど、我が国の考え方を反映させつつ、グローバルな視点から貢献している。
 
 さらに、IMO事務局の海上安全部長に日本人が就任するなど、我が国は人的な面でも貢献している。我が国の2000年春の叙勲では、国際機関に勤務した邦人が初めて対象となったケースとして、元IMO事務局次長に対して勲章が授与された。
 
 なお、2008年に我が国が負担したIMOへの分担金は、841,854英ポンドで、パナマ、リベリア、バハマ、英国、ギリシャ、マーシャル諸島及びシンガポールに次いで第8位(全体の約3.5%)である。

5.事務局

 海上安全部、海洋環境部、法律渉外部等の6部からなり職員は約300名(うち専門職以上約130名)。日本人職員は2名(全て専門職)。

事務局長:E.E.ミトロプロス(Mr. Efthimios E. Mitropoulos)氏(ギリシャ)
本部:イギリスのロンドン