1.沿革
国際労働機関(ILO)はベルサイユ条約によって1919年、国際連盟と提携する自治機関として設立された。ILOと国連との関係を定めた協定は1946年12月14日に承認され、国連と提携した初の専門機関となった。
2.目的と活動
ILOの目的は、全世界の働く人々のために社会正義を促進することである。そのために労働・生活条件を改善するための国際的な政策や計画を立案、これらの政策を実施するうえで各国政府にとって指針となる国際労働基準を作成し、これらの政策が実際に効果を発揮するよう各国に対して広範な技術援助計画を実施するほか、こうした努力の推進を助けるための訓練、教育および調査も実施している。
ILOは、労働者と使用者の代表も政策立案について政府代表と平等の発言権を持つという点で、国際機関のなかでも特異な存在である。「国際労働総会」は、加盟国の政府代表2名と労使双方の代表1名ずつからなる代表団で構成される。総会の重要な機能の1つは、結社の自由、賃金・労働時間等の労働、雇用条件、労働者に対する補償、社会保険、産業安全、労働衛生、労働監督などに関して、国際的に認められる労働基準を設定する条約や勧告を採択することである。
ILOの条約はそれを批准する加盟国に対し、その条項を実施する義務を負わせるが、これに対し勧告は、各国の政策や立法、行政の指針となる。ILOの創設以来、380件以上の条約や勧告が採択されている。ILOは批准した国による条約の履行状況を監視し、労働組合からの権利侵害の訴えについて調査する特別手続きも備えている。
ILOの専門家は技術協力計画を通じて、職業訓練、経営技術、雇用政策、労働安全衛生対策、社会保障制度、協同組合、中小家内工業などの分野に関して、加盟国に援助を提供する。
ジュネーブにあるILOの国際労働研究所(International
Institute for Labour Studies)とイタリアのトリノにある国際研修センター(International Training Centre)も、研修の機会を提供している。
3.組織
国際労働総会は全加盟国(182か国)が参加して毎年開かれるが、その間におけるILOの活動は、28人の政府代表と14人の労働者代表、同じく14人の使用者代表で構成される理事会が運営に当たる。
4.我が国との関係
日本は、ILO設立当初(1919年)からの加盟国であり、1922年には8大産業国の一員として常任理事国に就任した。1940年にILOを脱退したが、1951年に再加盟(1954年には常任理事国に復帰)し、以降、ILOの活動に積極的に参画してきた。ILOの分担金のうち、日本は16.632%(2009年)を占め、加盟国中第2位である。
5.事務局
(1)事務局長:フアン・ソマビア(Juan
Somavia)氏(チリ)
(2)本部:ジュネーブ
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