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包括的核実験禁止条約(CTBT)機関準備委員会




  1. CTBTとは

     
    包括的核実験禁止条約(CTBT:Comprehensive Nuclear-Test-Ban Treaty)は、宇宙空間、大気圏内、水中及び地下を含むあらゆる空間において「核兵器の実験的爆発又は他の核爆発」を禁止する国際条約である。

     部分的核実験禁止条約(1963年8月締結)から大きく前進するものとして、長期の外交交渉の末、1996年9月10日に国連総会で採択され、直ちに署名のため開放された。2010年1月現在、署名182か国、批准151か国を数えるが、未だ発効していない(日本は96年署名、97年批准し)。

     条約の発効には、原子炉を有するなど、潜在的な核開発能力を有すると見られる特定の44か国(発効要件国)の批准が必要とされ、現在のところ、3か国(インド、パキスタン、北朝鮮)が未署名、6か国(中国、エジプト、インドネシア、イラン、イスラエル、米国)が未批准である。

     CTBTはNPT(核不拡散条約)体制を支え、「核兵器のない世界」を実現するための現実的かつ具体的な各軍縮措置であり、我が国はその早期発効を極めて重視している。2009年9月にニューヨークにおいて開催された第6回CTBT発効促進会議において、岡田大臣は、我が国として未署名・未批准の発効要件国への働きかけを強化するとともに、CTBT検証体制整備に貢献する考えであることを表明した。
  2. (外務省ホームページ内www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/ctbt/index.html )          

  3. CTBT機関準備委員会と検証制度


  4.  CTBT機関準備委員会(ホームページhttp://www.ctbto.org)は、CTBTが発効するまでの間、検証制度の整備等、条約の実施のための準備を行っている。発効すればCTBT機関が発足するが、発効前であるため「準備委員会」と称され、1997年3月17日、オーストリアの首都ウィーンに設置された。各署名国・批准国の全ての代表から成る準備委員会及びその下部機構である作業部会AとB(Aは行財政問題、Bは検証問題を扱う)がそれぞれ、年2〜3回、各回1〜3週間開催され、発効に向けた検証体制整備のための交渉や作業を行っている。
             
      CTBT第4条は、その発効までに337の監視観測施設から成る国際監視制度、及び現地査察の実施能力を整備する旨定めている。

    国際監視制度(International Monitoring System:IMS)
       地球上を均質な観測技術で覆い尽くし、核実験を24時間監視するもの。地震学的監視施設、放射性核種監視施設、水中音波監視施設及び微気圧振動監視施設の4種類があり、世界89か国、337か所に設置される。各施設が探知するデータは、ウィーンの国際データセンターに送付され、処理される。
       
    現地査察
       条約違反の核実験が行われたかを明らかにするため、執行理事会の51の理事国のうち30以上の賛成を得て、派遣査察団により実施されるもの。
             

  5. CTBT機関準備委員会暫定技術事務局(PTS)について
  6.  CTBT機関準備委員会の事務局として、暫定技術事務局(Provisional Technical Secretariat:PTS)が設置されており、発効すれば技術事務局(TS)となる。
     
     PTSは、行財政局、法務対外関係局の他、IMSの整備を行う国際監視制度局、世界中の監視観測所から送られるデータを解析する国際データセンター局、及び現地査察に係る準備を進める現地査察局から成り、現在、265名の職員を擁している。ハンガリー人のT・トート事務局長以下、専門職(Pレベル)が約169名、一般職(Gレベル)が96名となっており、このうち邦人職員は4名(いずれもPレベル)である(詳細は4.に述べる)。
     
     2010年度のPTSの予算は年間約119億円(115,579,600米ドル)であり、日本の分担率は16,852%、約20億円で、米国に次ぎ第2番目である。

  7. PTSの邦人職員


  8.  2010年1月現在、PTSには4人の邦人職員(いずれもPレベル)がいる。事務局長特別補佐官(監察担当)(P-5)、OSI局機器専門官(P-4)、行財政局財務課出納官(P-4)及びIDC(International Data Center)(P-2)である。出身組織は外務省、日本原子力開発機構、国連人口基金、海洋研究開発機構(JAMSTEC)と様々である。

  9. 終わりに
  10.  PTSの業務は、地震学、微気圧振動、水中音波、放射性核種の4つの技術を活用する検証部門から、人事、会計、調達契約などの行財政部門、また、法務や発効促進活動などの対外関係を担当する部門まで多岐に亘り、幅広い分野における人材が求められている。 職員の公募情報は準備委員会のホームページで常に公開されている。


          <PTS組織図>