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JPO体験記

八代真紀子(2006年2月より国連環境計画ナイロビ本部派遣)


○ JPOを受験しようとした(国際機関勤務を希望するようになったきっかけ)

学部在学中、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連環境開発会議(地球サミット)についての報道に触れ、その頃から環境や開発問題に対して関心を抱くようになり、学部を卒業する頃に、将来は国際機関で国際環境政策に関わる仕事に関わりたいと考えるようになった。その後、国連職員になる為のキャリア構築について調べる中で、国連での職を得る為のプロセスのひとつとしてJPO制度について知り、受験を目指すようになった。

○ JPO受験に向けて、どのようなキャリアパスを形成してきたか

JPOを受験するには、やはりまずは英語力を高めることと国際環境政策についての知識を得ることが必要と考え、学部を卒業後にアメリカの大学院に留学し国際環境政策について学ぶとともに、在学中、ニューヨークの国連環境計画北アメリカ事務所でインターンを経験した。インターンシップの期間中、国連本部で開かれる国連総会関連の政府間会合に触れる機会があり、そこで国際環境政策やガバナンスに関しての動向について学べたことと、国連機関での業務の流れや職場の雰囲気について知ることが出来たのは大変有意義であり、その経験を通して、将来、国連で仕事をしたいという思いを強くした。

大学院卒業後、東京にある国連大学本部学術部門・環境と持続可能な開発プログラムにてインターンを経験し、その後、国連大学の現地採用職員として1999年3月からJPOで派遣される直前の2005年12月まで勤務した。その間、国際環境政策、ガバナンスや、コミュニティーレベルの環境管理に関わる様々なプロジェクトや人材育成プログラムに関わる機会があり、プロジェクトマネジメントや資金調達、予算の管理など、国連機関で働く上で不可欠なプロジェクトマネジメント全般に関する知識と経験を得た。又、2004年9月から半年間、多国間環境条約の実施と人材育成に関する南アジア地域でのプロジェクトのコーディネーターとしてスリランカに赴任し、現地での活動をコーディネートした。短期間ではあったが途上国での勤務経験を積めたことは、JPO受験の際や、JPOとして勤務する中で非常に役立っている。

○ JPOとして派遣されてからの勤務状況・感想

JPOとしての派遣先を選択する中で、既に国連環境計画に転職していた国連大学勤務時代の元上司から、興味があればJPOとして来ないか、という話があり、提示された職務内容や部署として扱っているテーマが自分の興味とそれまでの経歴に合致していたことと、仕事のやり方が分かっている元上司のもとであれば新しい職場環境にも短時間で慣れることが出来るのではと考え、国連環境計画環境条約局(その後組織改編があり、現在は環境法条約局)への派遣を希望した。

JPOとして着任後は、大きく分けて、三つの事業、1) 多国間環境条約(MEA)の実施におけるコミュニティーの役割に関するプロジェクト(専門家会合の開催、ケーススタディーの実施など)、2) Valuation of Ecosystem Servicesに関連するプロジェクト(ビクトリア湖周辺におけるEcosystem ServicesのValuationに関するケーススタディーや専門家会合の開催、報告書作成)、3) Ecosystems Services, Natural Capital and Human Well-beingプロジェクト(専門家によるTechnical Paperシリーズの作成など)に関する企画、調整業務を担当している。その他にも、必要に応じて部署内で行われている他の事業に関する業務、ナイロビ本部で開催される様々な政府間会合に際してのサポート業務、事業予算確保の為の企画書作成や調整業務など、部署全体として行う様々な作業に関わっている。

JPOとしての一年目は、まず部署内で行われている事業について理解を深めることと、その中で自分がどのような役割を果たしていけるか見極めること、又、特にひとつひとつの作業を着実にこなす中から他の職員との信頼関係を築いていくことを心掛けた。その結果、多岐に渡る事業に関わる機会があり、様々な分野について学べたことは貴重な経験となっている。本部勤務ということと、特に国連環境計画という組織の性格上、実際にフィールドに出て活動をするような機会はほとんどないが、逆にナイロビ本部で開催される多国間環境条約に関する政府間会合などに触れる機会が得られることは本部勤務のメリットである。現在、JPO二年目に入ったところであるが、今後は、自分の専門分野をしぼり、実績を積み上げていくことに専念していきたいと思っている。

○ JPOとしての経験を今後どのように活かそうと考えているのか

JPOとしての勤務を通じて少しでも多くの知識や経験を積み、他の職員との信頼関係を築く中から、正職員への道を積極的に探っていきたいと考えている。正規ポストを獲得していけるかは、上司の理解や政治力、又、ポストが空くかどうかというタイミングに大きく左右される。国連環境計画では、昨年新しい事務局長が就任し、現在組織改編が行われているところであり、今後、組織全体としての方向性がどう変化していくか、又、その中でポジション獲得に向けてどのような機会が出てくるか注目し、チャンスにつなげていきたい。

又、元JPOの先輩や上司と正規採用に向けたアプローチについて相談する際によく言われるのが、今後、正規採用に向けた働きかけを行っていく際に、自分がJPOとしてどのような結果を残してきたのか具体的な形となって見えること(プロジェクトの立ち上げや運営を自分が中心となって行った、各種公式書類や報告書の作成を行った、等)の重要性である。この点については、今後も引き続き日々の業務の中で心がけていきたいと考えている。

最後に、今後、ナイロビへの赴任を考えているJPOの方に対しては、環境政策の分野でのキャリアを考える上で、やはりナイロビは国連環境計画の本部があることもあり、人とのネットワーク作りや、環境政策やガバナンスに関する国際的な動きについて理解を深めるには適した環境であるということを強調したい。国レベル、フィールドレベルでプロジェクトを実施し、現場に近いところで経験を積みたい、と考えている人には必ずしも適した赴任地とは言えないが、環境政策分野でのキャリアを考えているものにとっては、情報の面、ネットワーク構築という面で適した赴任地であると言える。



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