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  宮川秀子 (元JPO、現在UNICEFスリランカ事務所勤務)


 はじめに
今回JPOの経験を書く機会を頂き、ここから以下は、JPOの業務、アドバイス、就職活動、悩みなどを、今後のJPOや希望者の方々に少しでも役立つよう、できるだけ率直に誠実に書こうと思いますが、これは私一個人や何人かの友人JPOの経験をもとにしたものであり、すべてのケースには当然あてはまりませんので、ご自分の判断や視点でお読みください。

 JPOになるまで
幼いころから母親に「手に職つけなあかん」「芸は身を助けるんやで」といわれて育ち、その後、学ぶ喜びを伝えるという仕事が自分に合っていると考えるようになり、教育大学へ進学、英語教諭になりました。一方、海外や途上国、貧困などへの興味も常にあり、ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんの「トットちゃんとトットちゃんたち」を読み感銘し、本の中の貧困に苦しむ世界の子どもたちのエピソードを英語に訳して教材に使ったりした思い出があります(おそらくこれがユニセフとのはじめての出会いだったと思います)。大学時代の交換留学制度で米国の大学の教育学部に一年留学した時も、多くの授業で差別や経済的困難に苦しむ移民家族やマイノリティーたちへの教育について頻繁に議論され、社会的、経済的弱者の教育という分野に強い興味を持ちました。

教諭時代のある夏休みに、ふと思いついてスペイン語習得のためグアテマラへ行ったのが転換期となりました。そこで見た先住民族の女性や、子どもたちの様子は今も忘れません。 教育機会に関しては、日本の教師にとっては、無いか、あっても無いに等しい質としか感じられませんでした。 その頃から、乾いたスポンジのように比較教育や国際協力関係の本を読みあさるようになり、そこで国連機関の仕事や役割を知るようになりました。 さらに、国連で仕事をする人たちは「開発学」なる学問を勉強した人が多いということもわかり、そんな学問があるのかという驚きと同時に、勉強してみたくなって大学院留学を思い立ちました。 そこからは、ひたすら突き進んだという印象です。 JPO制度は大学院2年生の時に応募し、卒業後、日本の開発コンサルティング会社で見習いをしているときに面接、合格を頂きました。

 普段の業務について
私がJPOとして派遣されたのは、UNICEFエクアドル事務所です。そこで私はアシスタント教育オフィサーとして基礎教育や幼児ケアのプロジェクトのサポートをしています。事務所の規模は合計約40人(運転手や秘書も含めて)、そのうちインターナショナル職員は現在私を含め3名(事務所代表、副代表とJPO)、そのほかのスタッフは、私の上司を含め全員エクアドル人ナショナルスタッフです。業務遂行言語はご想像のとおり100%スペイン語です。
 
私が所属する教育プログラムを大まかに説明しますと、貧困層、先住民族の子どもたちを優先する10年基礎教育の完全普及、小学校就学へのレディネス、子どもの健康、栄養状態などを改善するための幼児ケア、そして政府の責任義務を促し、最も機会に恵まれない貧しい子どもたちや先住民族の子どもたちを優先したよりよい教育政策と国家予算編成を推進するためのロビー活動や市民団体活動への援助、などを中心に行っています。 全体的にとてもポリティカルで、中央政府や地方政府との仕事が多いです。 またこれらの大きなストラテジーを推し進めるための多くのの地方のプロジェクトのモニタリングも重要な仕事の一つです。

1年の業務の流れとしては、1月に年間プランが承認され、それをもとにプロジェクト実施のため、ユニセフ内のほかのプログラムオフィサーたちや、カウンターパートとの協議、契約書類、コンサルタントたちのTORの策定などが始まります。 この時期は、カウンターパートやコンサルタント候補とのやりとりや、契約書類やTORなどを作成するための「書く仕事」が中心になります。 契約内容が合意されると、契約が完了するまでさまざまなプロセスをフォローアップする、関係者に催促するというタイプの業務がたくさんあります。

プロジェクトが始まると、モニタリングのためにフィールドへ出張したり、地方のカウンターパートに進捗を確認し、変更やサポートの必要はないかなど、蜜に連絡をとり、タイミングよくアウトプットを出してもらえるように働きかけます。 またユニセフ内からカウンターパートのサポートを行う部分(たとえばプロジェクト内の発行物やサプライはユニセフが直接取り仕切ります)に遅れがでたりしてプロジェクトの進捗に影響しないように、内部でのモニタリングやコーディネートも頻繁に行います。 数ヶ月に一度は、ドナーに進捗レポートを提出しなければならないため、プロジェクトのアウトプットや進捗の把握は重要です。

年の終わりになってくると、1年で締めなければならない活動やプロジェクトが問題なく終わるように、プッシュしたり、サポートしたりします。 この時期はとても大変で、出張もペーパーワークも、カウンターパートとの連絡やネゴなども一気に増え、さらにその年の年間活動レポートや次年度の計画も策定しなければならず、年が終わるまでノンストップという感じです。 

プロジェクトモニタリングのための地方出張は、個人的にとても好きで、教師のトレーニングや子どもたちと触れ合う機会にはかなり燃え上がります。 地方政府や地方の機関や組織のほうが、中央政府より当然コーディネーションがしやすく、子どもの教育、栄養状態など色々な変化も目に見えるので、特に楽しい仕事です。 アイデアや思いついたことを紙に落とし込むのも個人的に好きなので、プロポーザルやサマリー、戦略ペーパーのようなものを西語や英語で書く機会も多いです。 色々な会議や打ち合わせで、プログラムや関連分野についてのプレゼンテーションや発言を求められることも多いので、知識のアップデートも重要です。 

一方、JPOの仕事がすべて上記のようにテクニカルなものかというとそうではありません。 JPOとしての事務所の仕事のバランスを内訳すると50%は上記のようなテクニカルな業務、30%オフィス内部の事務、20%雑務という感じでしょうか。 30%の事務は官僚組織の中でその複雑なプロセスを進めるために必要なさまざまな書類やプロトコールなどに費やす業務です。

雑務の20%は「とにかく業務やプロジェクトの遂行を促すためにいろいろあがく」業務。この雑務の中には、組織の文化やDuty stationの文化が影響するものもあります。 これは特にラテンの文化の影響かと思いますが、他の人に何かものを頼むんでもなかなかやってくれないので、何度も頼んだり、あきらめて自分でしてしまったりする時間などが含まれます。 カウンターパートなどにレポートや情報を頼むのにもかなりのエネルギーを要したりします。

そのほかには、「縦割りの組織の中で業務プロセス全体をモニターする時間」、これは「自分の業務は行うが、お隣さんが何をしているかは知らないし、知りたくもない」といった典型的官僚組織内で、誰かがプロセス全体を見届け、介入し、プッシュし続けるという業務です。 これは日本人には理解しがたい、そしてかなりの集中力と記憶力が必要で、消耗しストレスがたまる業務でもあります。このような自分のTORに直接書かれていないストレスフルな雑務に時間が割かれていることに驚かれるかもしれませんが、この部分を前向きにうまく効率よく、良い人間関係を保ちながら行うことが、結局は自分の仕事全体の生産性やアウトプットの質を向上させることにつながると普段の業務から私は感じています。 

業務で私がいつも苦労していることは、会議などでの発言です。 ユニセフでの仕事がはじめてで、1年か2年かぐらいの経験もなく、スペイン語を第三外国語でつかっている私にとっては、10年も20年もユニセフにいて、スペイン語が母国語のナショナルオフィサーがたくさんいるこのオフィスで発言するのは難しいし、かなりの度胸が必要です。 「話した者勝ち」的な文化があるラテンの国々では、日本人は特に苦労します。 私も時間がかかりましたが、仕事の内容や全体像が見えてくるにしたがって、話の流れにうまく乗って発言することができるようになりますし、また日本人の経験や日本の制度と比較して発言したり、議論に貢献するととても喜ばれます。 また発言以外の機会や仕事で高い質の結果やインプットを常に出していれば、発言回数にかかわらず「できる人」と認められていくと思います。 

仕事以外の所でも色々難しい問題があります。 大きな官僚組織で仕事の効率は決してよいとは言えず、新しい風がなかなか入らない状況の中、凝り固まった人間関係やライバル意識にとらわれている国連職員もたくさんおり、上司や同僚との人間関係に悩んだり、国連に失望して去っていく若手の職員やJPOもいると思います。 これはJPOの能力とは関係なく、どういう事務所に赴任が決まるかという、運によって決まる要素が大きいのですが、JPOの仕事に大きく影響する部分でもあり、悲しい現実でもあります。 さらにその国の文化にも影響を受ける部分が多くあり、ラテン文化もそうですが、特に男性優位のイスラム文化の中で働く女性職員などは苦労していると思います。

 JPOの就職活動
それぞれの国連機関には内部スタッフ用の空席情報があり、そのなかから自分にあったポストに応募するというのが一般的です。JPOは内部スタッフとして扱われるため、これらの空席に応募することが出来ます。ユニセフの場合、本部の人事ユニットがまず応募者の書類をレビューし、能力や経験がポストの業務内容に十分と判断された応募者のリストが募集している国の事務所に送られます。そこからその国の人事や上司になる人などがさらに精選し、面接者が決まります。 電話面接の連絡は、ユニセフの場合は面接の2−3日前ぐらいというのが多いです(1日未満というのもあります)そこから面接の準備が始まります。国の情報やその国のプロジェクトの内容などを調べたり、その国の知り合いに情報を頼んだり。。。普段の業務もあるので大変です。 

正直なところ、就職活動はJPOにとって頭の痛い問題です。今までいくつかの面接を受けてきましたが、ポストの競争相手は知識豊富で(博士号もたくさんいます)いくつかのフィールドオフィスをすでに経験したような人たちが多いのでJPOからP-3/L-3レベルのポストを獲得できる成功率はやはり低いと思います。 

さらにJPOの2年間に、自分の経験や専門にあっていて、さらに自分が応募できるレベルのポスト(P/L-2 や P/L-3)に空席募集がかかるかどうか、または何件出るかというのはまったくコントロールできない、運の範囲になります。人事の人や同僚は専門外でも組織に残ることを考えて応募をしてみろとアドバイスをしてくれますが、私個人の印象としては、実際のところ自分の一番強い分野でないと、他の候補者の中にとても専門性が高い人や経験豊富な人がいるはずなので、なかなか歯が立たないのではという気がします。

自分の経験、失敗例やいろいろな人がくれたアドバイスから言えることは
  1. 応募書類の質を常に向上させること (組織の本部の人事の人に見てもらってアドバイスを受けるのが一番良いでしょう)
  2. 組織に残りたいという意思を色々なところで表明し、色々な経験をした人から就職活動などに関するアドバイスをもらうこと
  3. 常に自分をさらに磨く努力をすること(自分の専門分野をさらに強くするとか、もう一言語学ぶとか、ポスト獲得に有利そうなコースをとるとか)
  4. 面接スキルの向上(色々な面接や発表の機会を無駄にせず、そこから学び取る。経験豊かな人にアドバイスをもらうなど)
  5. そしてなにより、自分の仕事の質を上げ、自分の評価を上げること
また直接固定ポストを獲得しなくても、6ヶ月や1年の期限付き契約などを獲得して経験を増やしていくJPOもたくさんいます。 このような期限付きの契約は何度も更新される可能性もかなりあるので、この契約形態のもと何年も業務を続ける人も多くいます。自分自身の面接の経験から「ユニセフでの経験年数の少なさ」というどうしようもない部分を指摘されることもあり、このような期限付き契約で経験を増やすのも、その後の固定ポストの獲得にプラスになると私は思います。 そのほかにも、他の国連機関やJICA、NGOなどに就職される方も多くいらっしゃり、将来的に再び高レベルのオフィサーとして戻ってこられる方もいらっしゃいます。 可能性は色々なところにあり、就職活動の形態は一つではないということでしょう。

あと、やはり自分の仕事をきちんとして、上司から良い評価をもらうことはとても大切で、人事担当者たちはこの評価をやはりよく見ているように思います。 日本人は自分の仕事をアピールするのが苦手とよく言われますが、完成された質の良いアウトプットを継続して出していれば、評価はおのずとついてきます。言われたことをきちんと完璧にするだけでなく、担当のプログラムやオフィスのために一歩進んだ提言やイニシアチブを発揮できるとさらにプラスだと思います。 

 JPO制度について感じること
私にとってJPO制度は、「国連での仕事を学び、自分を国際舞台で試すチャンス」そして「国連職員への入り口」でした。 実際機会を頂き、上司や同僚にも運良く恵まれ、実際働いてみて本当に色々なことを学び、自分がひとまわりもふたまわりも大きくなったと思います。 そんな自分の成長に驚きながらも「せっかくの機会だからもっと何かをやってみたい、学んでみたい」と思ったり、「ぜひ正規職員として働いていきたい」と感じたりと、このJPO制度は私に本当に幸運なチャンスを与えてくれたと思います。 

一方、すべてがバラ色かというとそうも行かず、上に書いたような問題や苦労もあります。 そしてもっとも大きなプレッシャーの一つが、就職活動です。 日本政府としては国連内の日本人職員の数を増加させることは長年の願いであり、JPOにその役目を担って欲しいと期待していると思います。 またJPOになるための競争率は高く、とても優秀で色々な経験をされてきた人が実際たくさんいますし、国連内でとてもよい仕事をされている方もたくさんいると思います。

しかしいざ就職活動となると、採用側が欲しい人材は、私の今までの就職活動の印象では、「国連内での経験年数が長く、マネージメント経験が豊かで、高度な知識と技術をもち、強いリーダーシップを発揮できる人」という感じで、これはP-2/L-2のアシスタントレベルのJPOが与えられる業務範囲を大きく超えています。 UNリフォームや人員削減のなか、L-3/P-3のレベルでも、出来るだけ能力の高い人が欲しいというのが本音なのでしょう。 ユニセフ本部の人事の人によると、そんな理想的な人材はそんなにたくさんはいないので、頑張って応募を続けるべきとのことですが、就職活動ではやはりそのようなレベルの人たちと競争することになるわけですから大変です。 

おそらくたくさんのJPOが、日本政府の期待を知りながらも就職活動で結果がなかなか出ずに悩んだり、あるいはJPOになったものの国連が自分に合わないと感じてしまって考えてしまったりしていると思います。有効な解決策や提言ができるわけではないのですが、JPOの難しい現状です。

 今後のJPOの方や希望者へのアドバイス
上に書いたように、JPOに選ばれるのも競争が激しく、またJPOになってからもその後の就職活動はさらに厳しいものがあります。 その一方で、JPOとして組織の内部にいる2年間というとても短い期間は「内部スタッフ」として扱われ、正規ポストや組織内のポストを獲得できる可能性が外部者よりもかなり高い有利な期間でもあります。ですので、経験者からのアドバイスとしていえることは、「JPOになる前に出来るだけ有意義な経験や準備をしておく」です。 2年という短い期間に仕事で結果を出し、さらに次のポストを獲得するという難行を達成するには、JPOになる前にどれだけ自分に力をつけておくかが鍵になるだろうと考えます。 またJPO後の就職活動にも成功できるような力がある方であれば、JPO試験に合格する可能性は当然高いはずです。

まず自分の専門性を高めること。 国連職員はスペシャリストかジェネラリストか、という議論を聞いたことがありますが、確かに普段の業務の半分またはそれ以上が上に書いたようにジェネラリスト系の仕事である一方、面接で常に聞かれるのは「専門性」です。 専門性が高いことはプラスになってもマイナスになることはないと思います。ただし「私はスペシャリストだから」といって、マネジメント、ペーパーワークや雑務ができない(したくない)というのも国連職員、特にJPOとしては機能しにくいと思われます(そういう場合はコンサルタントを雇えばいいわけですし)。 目指すは「専門知識が超豊富なマルチジェネラリスト&マネージャー」というところでしょうか。 

関連する職務経験や国際経験を増やすこともJPO合格、さらにはその後の就職活動にも大変有利だと思います。たとえば私の勤務するユニセフはフィールド経験をとても重視する国連機関ですので、途上国での勤務経験などは重要視されると思います。 またJPO後の組織内でのポスト獲得の際も、前に書いたように採用側は「経験年数」を能力を測る基準のひとつのして重要視しています。 インターンシップなどで国連内の業務を見ておくことも、自分が国連という組織に性格的に合うかどうか、またどのようにJPO合格のために準備すれば良いかが良く見えるだろうと思います。 

英語以外の外国語の習得も有益だと思います。JPOとしても勤務可能な国の数が増えますし、その後の就職活動で応募できるポストの数も増えます。 またユニセフの場合、内部空席リストには必ずといっていいほど、英語と国連公用語をもう一言語使えることが条件として書かれています。ただこれは、英語以外ができないと採用されないというわけではありません。言語の数に関係なく、能力の高い人はどこでも認められて就職活動にも成功されています。このアドバイスは例えば同レベルの能力を持つ候補者二人が同じポストに応募した際、一人は英語のみ、もう一人は英語と仏語ができるとあれば、おそらく二ヶ国語できる人を選ぶだろうという考えからのものです。

上に英語以外の言語について書きましたが、これは英語がきちんとできてのことで、特に英語でのライティングは国連職員として効果的に機能するのに不可欠です。 聞いた話によると、スピーキングやリスニング能力が高くても、アウトプット、成果はレポートで出すことが多く、それが評価の対象となるため、結局はWriting能力が高い人の方がその逆よりも評価が高くなるのだそうです。 私の普段の業務でも書く仕事は多いですし、自分が書いたレポートがドナーを満足させたか、プロポーザルにファンドがつくか、というのは見えやすい成果の一つです。ただし、きれいで正しい英語がかけるというだけでなく、読み手を考えた効果的な書き方が重要と思います。国連職員は色々なところでマルチに活動するため、じっくり読む時間はほとんど取れません。ですので、時間のない上司や同僚でもすぐ読める簡潔でわかりやすいレポートの書き方、会議で出た意見などを並べ書くのではなく、まとめ、要約する能力、ロジックがきちんと通ったわかりやすく無駄のないプロポーザルの書き方などは、JPOになる前から少し時間をとって練習されるといいかもしれません。

JPOになってからは、特に「悲観的にならず前向きに学ぶ」姿勢、「自分を大切に、常に自分を磨き、楽しむ」姿勢が大切だと思います。 JPOはジュニア・プロフェッショナル・オフィサーですので文字通り「ジュニア」です。ユニセフ内ではJPOはアシスタント・プログラム・オフィサーとなり、「アシスタント」です。ヒエラルキーが重要視される巨大な官僚組織である国連内で、JPOであるということは、「ペーペー」ということです。人員削減が謳われる国連内で「縁の下の力持ち」的なアシスタントレベルの人たちが多く解雇されている中、JPO「下っ端の仕事」を一手に引き受けるという状態になりやすいポジションだと思います。 また、人員削減の嵐の中、新人への指導というのはほとんど行われないのが現状で、「ほったらかされている、教えてくれない」と感じる人も多いと思います。 

そんな中、「とにかくやってみよう」「学べるものはないか」という、腐らない前向きな気持ちというのは大切ではないかと思います。 私自身はこの下っ端系の仕事からオフィス内の手続きの全プロセス、ルール、事務や会計の手続きの多くを学んだと思います。 これはテクニカルな仕事やプロジェクトの履行にも有用で、オフィス内プロセスの先を読むことで、効率の良いプランやオプションを選びながら仕事を進めたり、前もって手続き上ボトルネックになりそうな部分をネゴしたり、事前報告しておくことで、オフィス内の事務手続きをスムーズにしたり、その担当者たちの業務を楽にしてあげることもできます。 いろいろなアイデアもそこから生まれるかもしれません。 就職活動については前に書いた通りです。

またこれは国連の国際職員全員に言えることでしょうが、JPOたちは、母国、家族や友人と離れ、国連という難しい組織の中で難しい仕事をしながら、また2−3年で次の仕事を探さないといけないという不安定な状況を強いられ、さらに私生活でも文化の違いやシステムの違いにぶつかることが多いという、かなりストレスフルな状況におかれます。 自己管理、ストレスマネージメント、自分を大切にすることはとても大切だと思います。 

 さいごに
今回、JPOの経験を書くという機会を頂き、自分のJPOの業務をふりかえる良い機会となりました。 この機会をくれた、そして私のJPOとしての業務や就職活動を常にサポートをしてくれている外務省国際機関人事センターに感謝いたします。 できるだけ誠実に、業務経験やアドバイスをたくさん書かせていただきましたが、これは私が有益だと思ったことをすべて書いたものであり、これを読まれたJPO希望者や今後のJPOの方たちが、それぞれ自分の経験や希望、キャリアパスをしっかり考え、自分なりの準備をされていかれる過程で、何らかの参考になれば嬉しいと考えます。 JPOとして働くというのはすばらしい機会です。 多くの人にJPOの仕事を楽しんでしてもらえることを期待します。

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